腕立て伏せにおいて、フォームの間違いはいくつかあります。 今回は肩甲骨の動きについて説明します。
00:25から00:56まで、腕立て伏せにおける肩甲骨の使い方の間違ったフォームを示しています。
横から見ると適切な腕立て伏せに見えますが、真上から見ると肩甲骨が常に互いに引き寄せられてしまっています。 これでは主に、上腕骨だけの動作になってしまいがちです。 腕立て伏せにおいて肩甲骨の動きは、下降する際に互いを引き寄せ、上昇する際に互いを引き離すことです。そうすることによって、肩甲骨が肋骨の上で自由に動かすことができ、肩甲骨を動かしたり、安定させる筋肉群(前鋸筋など)を鍛えることができます。これも腕立て伏せを行う一つの利点です。 ただ、肩甲骨を動かすと言っても、肩をすくめたりはしないことが条件です。
肩甲骨を動かすことによって、前鋸筋の活動が増えます。 前鋸筋とはノコギリの様に肋骨と肩甲骨に付着している筋肉です。この筋肉は肩甲骨を前方へ滑らしたり、上方回旋(腕を頭上にあげる際の肩甲骨の動き)をする働きを持っています。 ボクサーがパンチをする際に、肩甲骨を前方へ送り出して、素早いパンチを繰り出すことから、ボクサー筋とも呼ばれています。
ちなみにベンチプレスは肩甲骨がベンチの上で固定されて自由に動かすことが難しいですが、腕立て伏せはある程度自由に肩甲骨を動かすことが可能です。