適切なフォームでの腕立て伏せは、身体の水平方向に押す力+体幹スタビリティ(安定性)を改善できるとても効率の良いトレーニングです。
<適切なフォーム>
ステップ1:脇のラインに親指を起き、手の指は前方へ向ける。
ステップ2:身体の中心部、腹部と臀部(お尻)に力を入れて、脊椎を真っ直ぐに保つ。
ステップ3:顎を引いて、または二重あごを作るようにして、鼻と目は床を向くようにする。頚椎(背骨の首の部分)の過伸展を防ぐため。 この時点で頭から足まで真っ直ぐにし、イメージとして背中に棒を載せても落ちないようにする。
ステップ4:身体を真っ直ぐに保ちながら下降する。下降する際、肘は45度の角度を屈曲していく。 また肩甲骨も、下降する際には両側の肩甲骨を引き寄せる。
ステップ5:床からおよそ4−5cm離れたポイントまで下降する。下降する際はスピードをコントロールしながら。
ステップ6:腹部と臀部を固く締めて身体を真っ直ぐに保ちながら、手で床を押すイメージで爆発的に上昇する。 上昇する際に、両側の肩甲骨を引き離す。
00:27から00:40が適切なフォームの例です。
<不適切なフォーム>
その1:脇の角度を約90度にして行う腕立て伏せ。 この角度では肩関節がShoulder Impingement Zoneという肩関節に余分なストレスがかかりやすい範囲に入ってしまいます。 よく大胸筋を鍛えるためにこの角度で腕立て伏せを行うかと思われますが、肩関節に余計なストレスがかかってしまい、怪我のリスクを上昇させてしまう恐れがあります。 また、脇を締めすぎるのも適切とは言えません。その状態で下降すると、上腕骨骨頭が前方に滑り、肩前部の組織(上腕二頭筋の腱や関節包など)に余分なストレスがかかり、肩前部がゆるくなる可能性があります。
その2:頭が床についてしまうことや、手の位置が身体より前方にある状態。 これでは関節可動域をフルに安全に使ってのトレーニングは難しいと考えます。
その3:身体を真っ直ぐに保てなく、臀部が上がったり下がったりした状態の腕立て伏せ。 腕立て伏せは体幹スタビリティ(安定性)を鍛えることも目的の一つですので、ここは身体をしっかり真っ直ぐに保ちたい所です。