<目次>
・テンポ・ランの目的
・実施方法
・注意点
<テンポ・ランの目的>
①身体の回復を促進する。 血流を良くし、身体の組織に酸素を送り込む。
②有酸素系エネルギーシステムの改善。
テンポ・ランは低強度の日に行う運動です。 低強度の運動によって体内の血流を良くし、酸素を身体の組織に送り込んで回復が望めます。
低強度とはいえ、有酸素系エネルギーシステムの改善も目的の一つです。
有酸素系エネルギーシステムは主に軽めの運動や長時間の運動時に利用される体内のエネルギーシステムです。 マラソンやロードバイクなどが良い例です。
バスケットやサッカー、バレーボールや野球などの瞬発系のスポーツには不必要ではないのか?と思うかもしれませんが、この有酸素系エネルギーシステムは大事な役割を果たしています。
最大酸素摂取量などの有酸素系エネルギーシステムを改善させることで、間欠的な高強度運動間の回復能力が高めることが可能です。
例)野球やソフトボールのピッチングは高強度です。 それを1試合で100球なげることはよくあります。 1球1球の間の回復能力が高ければ、ピッチングのパフォーマンスの向上につながる可能性はあります。
<実施方法>
・40メートルの距離を全速力の60−75%のスピードで走る。
・休息時間は走ったタイムの2−3倍とります。
・合計16−24回を走る。
例)40mを9秒で走り切る→30秒休息を4回繰り返して1分休憩。これを4−6セット繰り返す。
慣れてきたら
・走る距離を伸ばしても良い。45m,50mと徐々に伸ばす。だいたい100mくらいまで。
・セット間の回数やセット数を徐々に増やしていく。
・あくまで低強度なので合計の走る回数は最大24とします。
というのがポイントです。
<注意点>
・60-75%のスピードを保つことがポイントです。 それ以上のスピードで行うと心拍数が上がってしまい、疲労回復どころか疲労が蓄積してしまいます。
・上記の例で”9秒で走り切る”と書きました。”9秒以内”ではなく”9秒で”です。 無駄に頑張って6−7秒で走る選手をよく見ます。 そうなるとこのトレーニングの目的が無意味なものになってしまいます。
<参考文献>
1. Jemiason, J. Ultimate MMA Conditioning. 2009. Sports Performance Inc.