腹筋運動を行う理由として、腰痛予防や体幹を鍛えるという目的があると思います。 しかし、腹筋運動は逆に腰痛の原因の一つですし、腹筋運動だけでは効率よく体幹を鍛えることは難しいです。
<腹筋運動はヘルニア発症のリスクを上げる>
動画の腹筋のように起き上がった時に自然と脊椎(背骨)が曲がってしまいます。背骨が丸く曲がってしまう動作を繰り返すことはヘルニアの原因となります。
また、大人よりも子供や10代の脊椎の方がヘルニアになりやすいという研究報告もあります。 部活などで腹筋をよく行うことがあると思います。 しかし、それは逆にヘルニア発症のリスクを自ら高めてしまっています。
<腹筋運動で身体の体幹を鍛える…?>
まず体幹というのは身体の腹部だけを指しているのではなく、肘から膝までという身体の中心部分を指しています。
体幹を鍛える理由としてよく耳にするのは、姿勢を正しくする、バランス向上、当たり強さの向上などです。 腹筋運動に絞ってこれらの向上は効率よくできないです。
腹筋運動よりも、重りを用いたスクワット、デッドリフト、プレス、ランジ、クリーン、スナッチなどの全身運動の方が効率よく全身の筋力、安定性、柔軟性、コーディネーションを向上するのに適しています。それらの運動が俗に言われる姿勢矯正、バランス向上や当たり強さの改善に繋がります。
また、プランクなどの”コアエクササイズ”を完全に否定しているのではないです。ただコアエクササイズだけに絞って”体幹を鍛える”という考えに基づいたトレーニングは効率が悪いです。
運動選手にとってトレーニングの目的は身体能力の向上もありますが、それよりもまずは怪我のリスク減少です。 腹筋をして体幹を鍛えるという考えよりも、腹筋をしてヘルニアのリスクを高めてしまうということを考えて頂ければと思います。
<参考文献>
1. McGill, S. Ultimate Back Fitness and Performance 4th Edition. 2009. Backfitpro Inc.