・ポステリオール筋肉群とは身体の後ろ側にある筋肉群。 脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングスなど。
・ポステリオール筋肉群は身体の爆発的パワーの源でもあり身体にブレーキをかけるのに重要な役割を果たす。
<目次>
・ポステリオール筋肉群とは
・ポステリオール筋肉群の役割
・ポステリオール筋肉群を鍛えるエクササイズ
・注意点
<ポステリオール筋肉群とは>
ポステリオール筋肉群とは英語でPosterior Chainと呼ばれます。 これは身体の後ろ側に位置する筋肉群です。
画像のように、脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングスなどの筋肉です。
※広背筋は後ろ側に位置していますが、停止が上腕骨に付着しているので前面の筋肉とも捉えられます。
<ポステリオール筋肉群の役割>
①身体の爆発的なパワー発揮に役立つ。
垂直跳びやスプリントなどは爆発的なパワー発揮が要求される動作です。
動画の00:46のように、跳ぶ瞬間に足首、膝、股関節が伸びている(伸長)のがわかるでしょうか。 これは専門用語でトリプルエクステンションと呼ばれ、このトリプルエクステンションという動作は爆発的パワーが発揮されやすい動作なのです。 (トリプル=3つ、エクステンション=伸長:トリプルエクステンション=3つの関節の伸長)
ポステリオール筋肉群を鍛えることによって筋力を増加させ、このトリプルエクステンションによるパワー発揮に大きな効果をもたらします。
②身体にブレーキをかける役割も持つ。
身体にブレーキをかけると言っても、ピンとこないかと思われます。 つまりは減速する、ストップをかける役割です。
例)スプリントからのストップやジャンプ動作での着地など。
スプリントからのストップやジャンプでの着地などの姿勢は膝を曲げ、お尻を落として、胸を張ります。
最後から2番めの姿勢をご覧になるとわかりますが、ジャンプの着地時には膝を曲げ、お尻を落とし、胸を張ります。
この姿勢を取ることで、減速する際に身体に加わる大きな負荷をうまく吸収できます。 そしてストップしてから次の動作への移行が容易になります。 バスケットやサッカーなどではスプリント、ストップ、方向転換が重要な運動能力の一つになります。 このストップ能力が高いとターンや方向転換の早さが改善される可能性が高くなります。
この姿勢を取るには股関節や足首の可動性も必要ですが、ポステリオール筋肉群の筋力を向上させ、ストップ時にかかる大きな負荷をうまく吸収することによって効率の良い減速やストップが可能になります。
<ポステリオール筋肉群を鍛えるエクササイズ>
スクワット、デッドリフト、ランジ、RDLなどからグルートハムレイズ、ステップアップ、バックエクステンションなど。
これらのエクササイズはこれから徐々に紹介していきたいと思います。
<注意点>
ポステリオール筋肉群が大事だからといって、身体の後ろ側だけを鍛えるのは、全身の筋肉のアンバランス(不均衡)につながります。
<参考文献>
1. McGill, S. Ultimate Back Fitness and Performance 4th Edition. 2009. Backfitpro Inc.